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2023-04-21

腸と免疫の関係2(自然免疫)


前回の章でお伝えしましたが、免疫には2種類あります。

生まれながらに身体に備わっている「自然免疫」と後天的に身体に備わる「獲得免疫」です。

ここでは、この2種類の免疫のうち「自然免疫」についてもう少し詳しく書いていきたいと思います。

【自然免疫】

あらゆる生物が元から持っている身体に組み込まれた防御システム。病原菌やウイルスなどの異物が体内に侵入した時、素早く反応し取り除く作用があります。

例 風邪を引いたときに、少し熱は出るが薬を使わず、休んでいるだけで治る、このように自然治癒力が働くのは、自然免疫の力です。
自然免疫は、体内にウイルスや細菌などの異物が侵入すると、相手の目的に関わらず真っ先にその場に行き攻撃し撃退する免疫反応で、マクロファージや顆粒球、NK細胞という免疫細胞がそれです。

★マクロファージ

マクロファージや顆粒球は食細胞といい、ウイルスや細菌などの敵とみなしたものを食べて排除します。そして、NK細胞は敵の細胞を破壊する働きをし、その死んだ細胞を食細胞が食べて片付けます。ですから、マクロファージは「掃除屋」の一面もあるのです。

マクロファージには掃除屋としての3つの働きがあり、全身にくまなく分布し、常に体内に異物が侵入していないか監視しています。監視するだけでなく、見つけた異物を食べ(貪食作用)て処理します。これが、「掃除屋」の名前の由来です。次にその食べた異物の欠片を自身の細胞表面上に付着させ、他の細胞に異物が体内に侵入たことを知らせます。その知らせに気づいたT細胞などの獲得免疫が撃退すべく攻撃の準備を始めるのです。

このマクロファージが、加齢やストレスにより働きが鈍ると免疫力が下がり、異物が侵入してもそれに対抗することがなかなか出来なくなり、病気へのリスクが増えてしまいます。(異物とはウイルスや細菌、癌細胞など)下記にマクロファージの種類を記したいと思います。

★顆粒球

白血球の一つで、細胞内に殺菌作用の成分を含んだ自然免疫細胞です。顆粒球には、好中球、好酸球、好塩基球、肥満細胞の種類があり、これらが活性化すると免疫促進分子を出しウイルスや細菌、寄生虫を攻撃し感染から身を守ってくれます。但し、これらの反応は慢性炎症や喘息、アレルギー、免疫制御、自己免疫、癌などの疾患にも関与しています。

・好中球

白血球全体で約45%~75%を占めており、強い貪食作用があり細菌や真菌を食べて殺菌(主な働きは防御システム)します。好中球は遊走細胞なので、アメーバ様の運動で細胞内を自由に動き回ることができます。

・好酸球

寄生虫に感染した時にこの細胞が増え攻撃し、身体を感染から守ります。但し、アレルギーに於いては、アレルギー反応を起こす細胞とも言われています。

※例として、好酸球性副鼻腔炎があります。(指定難病306)  

・好塩基球 

顆粒球の中でも、最も希少でかつ特徴が少なく、白血球の中で1%未満を占めています。
この好塩基球はマダニなどの寄生虫などに吸血されているときにその患部に出現し防御する働きがあるのですが、強いアレルギー反応のアナフィラキシーショックの原因にもなります。

・肥満細胞(マスト細胞)

名前に「肥満」という文字が使われているため、肥満と関係があると思われがちですが、それは誤解です。名前の由来は、細胞内にヒスタミンなどの生理活性物質を貯めているため、細胞自体が大きくなることから付けられた名前で、「肥満」とは全く関係ありません。

肥満細胞は、血管周辺や皮膚、皮下組織、消化管、肺、肝臓などあらゆるところに存在しており、その表面には免疫グロブリンという免疫に関係するタンパク質が付着しているため、アレルゲンとなる物質が体内に侵入するとアナフィラキシーショックや喘息、鼻炎、じんましんなどのアレルギー反応を引き起こします。

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疲労を溜めると免疫力も下がります

 

★次回は『獲得免疫』のリンパ球について書いていこうと思います。


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